スローフード運動について
スローフード運動とは、自国の伝統的な食文化を守っていこうとする運動のことです。
短時間の調理、簡単にできる食事であるファーストフード。
時間に追われる現代の人々にとっては、ファーストフードはとても手軽で便利な食べ物なのでしょう。
しかし、利点が多いのも確かですが脂肪や糖分の過剰摂取、栄養不足が心配され、近年では材料の安全性の問題が起こるなど、色々な面でデメリットが多いのもファーストフードの特徴でもあるのです。
1980年代になり、マクドナルドがイタリアのローマに出店したことがきっかけになり、自国の食文化に対しての危機感が芽生えます。
そして、スローフード運動が始まることになったのです。
やがて世界規模にまで広がった運動は国際組織へと発展し、132ヶ国に支部を持つまでになりました。
そのメンバーも10万人を超えています。
メンバーたちは食に関しての色々なイベントを催し、身近な食べ物に対しての関心・興味といったものを高めてもらおうと努力しているのです。
尚、イタリアでは食材、料理、質の良い食品などに関心を持ってもらう機会を積極的に作るようにしています。
例えば、隔年に一度、食の祭典が行われます。
世界の食材、料理、ワイン、文化情報などを集めるためのものでもあります。
更に、夏になるとファースト―フードを好んで食べる若者たちにも一流の店の料理が安価で味わえるようなイベントまで催しているのです。
このスローフード運動の目的は大別すると次の3つです。
◆伝統的な食材、料理、質の良い食品を守っていく。
◆質の良いものを生産する小生産者を守っていく。
◆消費者に味の教育を促す。
多くのデメリットから生じたファーストフードへの不信感からか、今では世界中でスローフード運動が注目されるようになっています。
日常的に自分たちが、どんなものを食べているのかといった食に対しての関心や意識を高めて見直していくといった目的、食とは何かを考える哲学的思想が運動の根源であるのかもしれません。
多くの人々の健全な生活保持のために、スローフード運動は必然的に発生し拡大したとも考えられる気がします。