歯列矯正の様々な治療方法について
歯列矯正には、子供の頃に行う小児矯正というものがあります。
この小児矯正は歯並びの状態、矯正歯科の方針などによって変わってきますので、ここでは例をひとつとって記します。
小児矯正治療には、『2段階治療』や『包括治療』があります。
簡単に記すと、2段階治療は治療期間を二つに分けるものであり、包括治療は分けずに継続して行うもののことです。
これらは年齢や歯の状態などに合わせて選ばれたりもします。
◆2段階治療
年齢が、主に3?8歳の子供に行うものです。1段階目は顎を大きくしたり、バランスを整えたりもします。これによって、以後の矯正で外科治療をせずに矯正を行う確率が上がります。治療開始年齢は3?12歳で、期間は1年半?2年半程度です。
取り外し可能のムーシールドやTK4などのマウスピースや拡大床などの矯正器具を使用して、顎を調整します。
1段階目が終了すると2段階目になります。永久歯が生えてから始まり、固定式のセラミックブラケットやインビザライン、デーモンシステムなどの装置を使用し、歯並びを良くしていきます。永久歯がはえ揃ってからになるので、開始年齢は10?15歳で治療期間は1?2年程度です。
◆包括治療
10歳程度から矯正治療を行う場合や、骨格的な問題がある場合、歯の数が足りない場合などは包括治療が必要になります。2段階治療を行っても改善が難しい場合に、ブラケットや取り外し式の装置を使用して治療することになります。子供の頃に包括治療を受けておくことで、後に矯正のために抜歯、外科矯正などの負担の大きな治療をしなくてすむ可能性が上がります。
◆部分的な矯正について
歯科の矯正は、部分的に矯正するだけでは不十分です!
というのも、出っ歯や受け口、傾いている歯だけを矯正するだけでは、他の歯に負担をかけてしまったり、何らかの悪影響を与えてしまいます。
◆見た目と噛み合わせ 両方が大切
そもそも、歯科矯正は、見た目を美しくすればそれで終わりというものではありません。見た目を整えながら、噛み合わせのバランスにも重点を置いて、歯や体に負担をかけないようにすることが大切です。そのような矯正ができれば、結果的には満足のいくものとなるでしょう。
最終的には、噛み合わせなどに問題が生じてしまうことに…
一部の歯を正しい位置に戻した後、全体のバランスを考えて、全体矯正をすれば、見た目も噛み合わせも良くなり、より優れた仕上がりとなります。
インプラント矯正の場合には、歯をピンポイントで動かす事が可能なので、部分矯正でも問題がない場合もありますが、普通の矯正の場合には、やはり最後に全体的な調整というものが必要になってきます。
もちろん見た目だけのことを考えれば、部分矯正で十分だと思われるかもしれません。
しかし、いくら見た目が整っていても、歯は、年月と共に移動してます。そして、また歯並びが悪くなってしまいます。
◆重要な保定期間
歯の矯正は、歯を移動させるだけではなく、定着させていくことも重要になります。歯並びをキレイにした後は、歯を定着させるための保定期間もしっかりと考えておきましょう。
保定期間を軽く考えると、歯はまた元の位置に戻ってしまいます。そうなると、費用をかけて、長い期間がんばって歯科矯正をしても、再度矯正しなければいけなくなってしまうことになりかねません。
歯科矯正の治療は、歯を動かした後、全体のバランスを整え、歯を定着させるための期間が必要なことも覚えておいてくださいね。何度も矯正治療しなくてもいいように、歯科矯正する時には、腰を据えて、じっくりと治療に臨むようにしましょう。
◆人それぞれ、治療方法が変わります
基本的に、歯列矯正というのは『始める時期』と『歯並びや噛み合わせが悪い理由』によって、治療方法が選択されるものです。
大人になっての矯正は外科矯正を伴う可能性も高まりますし、年をとってからになると骨が固くなるため負担も大きくなりますので、矯正するのなら若いうちに、それよりも尚小さい子供のうちに行っておく方が総合的な負担が少なくて済みます。
歯並びについては、早くご相談いただくことに越したことがありません。小さいうちから治療を始めることのメリットは、とてもたくさんあります。ぜひお気軽に、検診もかねて、ご相談にいらしてください。