健康寿命と、かかりつけ歯科医の有無の関係
星 旦二氏(首都大学東京大学院教授)が【かかりつけ歯科医と寿命】についてお話しされている内容をご紹介します。
長らく、多摩市に住む高齢者13066人を対象に『都市高齢者の健康寿命の要因』について追跡調査が行われていたそうです。
2009年度における調査結果では、かかりつけ歯科医がいる高齢者は、いない人と比べ寿命が長いということがわかったそうです。つまり、かかりつけの歯科医がいることで、生存率を上げているということなのです。
もちろん、もともと健康に不安のある方は、歯科医院より内科医に通うことは当然で、体が健康な人ほど歯科医院に通うということも考慮しての結果です。
この分野における研究者の方との共同研究結果を出版するとのことですが、ここではそのエッセンスを紹介しておきたいと思います。
共同調査を行ったのは、芝歯科医師会で、会員診療所を受診した20歳以上の2800人を調査対象にしています。
このうち、自宅での歯みがきの際、ブラッシングとあわせて、歯間ブラシを使用しているという人は、歯間ブラシを使用していない人と比べ、口腔内、歯肉の状態がよいということがわかりました。また、歯間ブラシを使用している人の中では、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けているという人の割合も多く、普段から、健康に対する意識も高いということもわかっています。
上記の調査とは別に、40代、50代?64歳までの4443人を5年に渡り追跡調査しました。その結果、寿命の長い人ほど、歯ぐきの腫れや虫歯などがないということがわかっています。
口腔ケアは、全身の健康の維持にとってとても重要な導入口になっているということがわかります。
口腔ケアをおこなうことで、寿命を伸ばすだけではなく、要介護状態を予防することが出来るということも重要です。健康であることが人生を豊かにするための要素であるなら、歯科はそれにたいして大きな貢献が出来るということなのです。